News&Report

2025.09.09

自民党 石破総裁の突然の辞任、繰り返される国民不在の政治

自民党石破茂総裁が参議院選挙の敗北の責任を取り総裁の辞任、総裁選への不出馬を表明しました。

 長いあいだ「自民党を変える」と力強く訴えてきた石破さんですが、その旗は最後まで振られることはありませんでした。派閥のしがらみ、密室での談合、そして古い金権体質等、石破さんならこれらを変えてくれると多くの国民が期待を寄せましたが、結果として自民党は変わらなかった。そこに、国民の失望と諦めが広がってしまったのです。

自民党改革はなぜ頓挫したのか

 石破さんは「正直で公正な政治」を掲げていました。その言葉は力強く、地方からの支持も厚かった。しかし、いざ総裁となってみると、党内の権力争いに翻弄され、改革の歩みは止まってしまったのです。政策決定の透明化、人事の公正化といった約束は果たされず、「変わらない自民党」という姿を国民に見せてしまいました。

 国民が望んでいたのは「古い自民党からの脱却」です。それができなかった責任は、やはり総裁にあると言わざるを得ません。

国民よりも政局を優先

 さらに問題だったのは、石破さんがあまりに「党内融和」にこだわりすぎたことです。対立を抑えることばかりに気を遣い、国民の暮らしに直結する課題ー物価高、エネルギーの転換、子育て支援等に本腰を入れられなかった。

 国民は「派閥の調整」など求めていません。求めていたのは「暮らしを守る政治」でした。その思いに応えられなかった結果、支持はしぼみ、政治への信頼はさらに揺らいだのです。

政治空白をつくった責任

 そして今回の辞任。確かに党内の対立は深刻でした。しかしそのために政権のかじ取りを途中で投げ出すことは、国民からすれば大きな裏切り行為です。外交も経済も、待ったなしの課題が山積みです。その最中にリーダーが辞めることで、政治は停滞し、国民生活に影響が及ぶ。これほど無責任なことはありません。

 本来であれば、自らの任期を全うし、次につなぐ責任を果たすべきでした。それを放棄してしまったことは、痛恨の失策といわざるを得ません。

国民本位の政治へ

 石破総裁の辞任は、ひとりの政治家の挫折にとどまりません。自民党という政党の深い病をあらためて国民に示した出来事です。

 私たちは今、改めて問われています。国民よりも党の都合、政治家の都合を優先する政治を、このまま許してよいのか。国民の暮らしを第一に考える政治へと、本気で舵を切る覚悟があるのか。

 国民の声に背を向ける政治に未来はありません。必要なのは「党利党略の政治」ではなく、「国民本位の政治」への転換です。石破総裁の辞任を教訓として、私たち自身がその道を切り拓かなければなりません。

立憲民主党への期待

 多くの国民が立憲民主党の「まっとうな政治」に期待を寄せていただいています。しかしながらその期待に十分お答えすることができていない。立憲民主党に対する失望も同じく広がってしまっています。いまこそ、人気取りではない、国民の暮らしを第一に考え、未来に責任を持つ透明で公正な政治を実現しなければなりません。

 物価高に苦しむ家計を支え、エネルギーや食料の自給率を高め、産業を立て直す。税金の使い途を見直して子育てや教育、医療福祉の充実を実現する。そうした一つひとつの政策を実現していくことこそ、私たちの責任です。

 自民党が変われなかった今こそ、野党である私たちがしっかりと受け皿となり、国民とともに新しい政治をつくり出す。その覚悟を持って歩んでまいります。