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2026.03.11

原発事故から15年 ― 支援者の声から見える「終わっていない現実」

2026年3月、東京電力福島第一原発事故から15年という節目を迎えます。
しかし、この15年という時間は「終わり」を意味しているわけではありません。むしろ、被災者の苦悩や課題は形を変えながら現在も続いています。

今回、超党派こども被災者支援議連として全国で被災者支援に取り組んできた市民団体・グループの皆さんを対象に、活動の総括と政策課題を把握するためのアンケート調査を行いました。74団体から回答が寄せられ、支援の輪は北海道から九州まで全国に広がっていることが分かりました。原発事故の被災者は、いまも広域で原発災害の最中にいることが分かります。

調査でまず浮かび上がったのは、被災者が抱える問題の複雑さです。
回答では、健康への不安、生活再建の遅れ、住宅支援の打ち切り、精神的孤立などが多く挙げられました。

自由記述には、次のような声がありました。

「理解されないから、もう話したくない」
「原発事故の影響と認められないもどかしさ」
「住宅支援が打ち切られ生活が不安定になった」

事故から15年が経っても、被災者の生活は決して元に戻っていません。健康への不安と生活の困難、そして社会的な孤立が重なり合い、複雑な問題となっています。

もう一つの特徴は、「記憶の風化」への強い危機感です。
多くの団体が、事故への社会的関心が弱まっていると感じています。

「事故からまだ15年しか経っていないのに再稼働が進んでいる」
「社会が問題視しなくなること自体が被害だ」

こうした声は、被災者の問題が解決したから忘れられているのではなく、社会の関心が先に薄れている現実を示しています。

さらに深刻なのは、支援を続けてきた団体自身が限界に近づいていることです。アンケートでは、資金不足や人材不足、活動拠点の維持の困難さが最大の課題として挙げられました。

「家賃を払う資金がない」
「交通費の負担が重い」
「活動を続ける人がいない」

こうした団体は、行政の制度だけでは支えきれない被災者を支える重要な存在です。その活動が縮小すれば、支援の空白が生まれてしまいます。

また、広域避難の問題も大きな課題として残っています。
避難者の多くは福島県外で生活していますが、現在の制度は県内中心に設計されています。そのため、

「広域避難者なのに制度がほとんどない」

という声も寄せられました。

この調査から見えてくるのは、原発事故がすでに「復興の問題」だけではなく、長期的な社会政策の課題になっているという現実です。

住宅支援、健康調査、生活再建、広域避難者への制度など、長期的に対応する政策が必要です。また、被災者を支えてきた市民団体の活動を社会的インフラとして支える仕組みも欠かせません。

原発事故から15年。
この節目は、事故を忘れるための区切りではありません。むしろ、被害の現実を直視し、制度を見直すための重要な時期だと考えています。

私は今回の調査結果をもとに、政府や関係省庁への政策提言を行うとともに、国会の場でも課題を提起していきければと思います。被災者の声を政治の場につなげることこそ、私たちの責任だからです。

事故の記憶を風化させず、被災者の生活再建を確かなものにするために。
これからも現場の声をもとに、必要な政策を提案していきたいと思います。

以下はアンケート集計・分析結果のまとめです。