地域循環型エネルギー社会への転換
— 電気代の負担を減らし、災害に強く、地域でお金が回る仕組みへ —
エルギー価格の高騰に直面するいま、必要なのは「輸入燃料に依存する仕組み」からの構造的な転換です。燃料高騰×円安で、わが国は2022年に年間20兆円超の貿易赤字に直面しました。
地域の屋根・公共施設・農地を活かし、電気代の負担軽減・災害対応力・地域経済の底上げを同時に進めます。
1. 電気代ゼロへの挑戦へ:住宅と公共施設を100%活用
現状認識
戸建住宅の太陽光は、調査ベースで約1割(約11.6%)にとどまります。太陽光・蓄電池は、ぜいたく品ではなく暮らしのインフラに引き上げるべき段階です。
目標
- 2040年までに:新築住宅は太陽光・蓄電池を「標準装備」へ(導入率100%を目標)
- 既存住宅は、導入・更新支援を強化し普及を加速(目標:導入率30%)
実施策
- 初期費用ゼロ型の導入支援(PPA=第三者所有モデル等)を拡充
- 自治体・公的機関と連携した共同調達(まとめ発注)で、機器・工事費の低減と品質確保を進めます
- 公共施設(学校、区役所、体育館、下水処理施設等)は、屋根・敷地の活用を徹底し、平時の電力コスト削減と防災拠点機能を強化します。
蓄電池・EVの活用(防災)
EVは平時は移動手段、非常時は電源になります。V2Hにより、停電時にEVから家庭へ給電できること、災害時にEV給電が活用された事例も示されています。停電時も最低限の電力を確保できる社会を目指します。
2. ソーラーシェアリング:農業とエネルギーの「二毛作」
現状認識
全国の荒廃農地(遊休農地)は、統計上約28万ha規模とされています。放置すれば地域の生産力は落ち、景観・防災面のリスクも増します。
当面の目標
- 荒廃農地の約10%(約3万ha)を、営農型太陽光発電へ段階的に転換
期待される規模
政府資料等でも用いられる前提として、営農型を1haあたり0.5MWと置く試算(経産省)があります。
この前提に基づけば、約3万haで約15GW規模の導入ポテンシャルになります。
農家の収入安定化
- 農業収入に加えて、売電・自己消費による収入源を持てる仕組みを整えます。
- モデル事例では、売電収入の一部を地域還元・管理費として年20万円支払うケースもあります。
制度・手続の改善
- 一時転用の手続負担を減らし、適正な営農継続を前提に許可・更新の予見可能性を高める
- 「農業を守る」観点から、地域の合意形成と営農実態のチェックをセットで整備する
3. 「断熱革命」:光熱費削減と健康リスクの低減
現状認識
日本の既存住宅は、現行の省エネ基準を満たしていない住宅が約9割にのぼるというデータもあります。
断熱は「快適」の問題にとどまらず、冬季の急激な温度差による健康リスクとも関係します。
目標
- 2035年までに、既存住宅の断熱改修を大幅に加速し、ZEH水準(断熱等級5相当)の普及を目指す
期待効果
- 断熱化により、暖房エネルギーを半減できるという計算例が示されています。
- 冬の入浴等に関連する急死は年約1.9万人という推計紹介があります。
実施策
- 低所得・高齢世帯ほど効果が大きいことを踏まえ、重点支援(窓・浴室・脱衣所から)
- 地元工務店・職人の育成とセットで、改修需要を地域の雇用と所得に結びつけます
政策の実現でめざす将来像:地域にお金が残るエネルギーへ
輸入燃料価格の高騰局面では、国全体の負担は一気に拡大します。2022年には貿易赤字が20兆円超に達しました。屋根・公共施設・農地でつくる電気を増やし、断熱で使う電気を減らします。
この両輪で、家計の負担を減らし、地域の工務店・施工、保守点検、農業・土地管理へ仕事を生み、地域で回るエネルギー経済をつくります。