激動する国際情勢と日本の進路
第二次世界大戦の終結から80年が経過した今日、世界は再び大きな緊張に直面しています。
ロシアのウクライナ侵攻、パレスチナのガザで続く残虐行為、イランの核施設に対する攻撃など、世界各地で紛争が勃発しています。台湾海峡をめぐる軍事的緊張などを受け、日本政府も日米同盟による抑止力の強化や敵基地攻撃能力(反撃能力)を含む防衛力の大幅増強を打ち出しています。また、防衛費の拡充について米国トランプ大統領からは強い圧力を受けつつあります。しかし、軍備拡張だけで本当に日本の安全が保障されるのでしょうか。
一般市民の命を奪う戦争の現実
戦争になれば真っ先に犠牲になるのは一般の市民です。現にウクライナでは開戦以来、ミサイル攻撃から逃れられる安全な場所はなく、多くの子どもを含む民間人の命が失われています。国連の報告によれば、ロシアによる侵略開始から2025年6月までにウクライナで死亡した民間人は1万3千人以上にのぼります。
もし台湾有事のような事態がが起これば、沖縄を含む日本の各地域で多くの市民が戦禍に巻き込まれ命を失います。戦争は絶対に回避しなければならない、これがウクライナ紛争から学ぶべき最大の教訓です。
「安心供与」による「戦争回避」
2023年4月、広島の平和記念公園でウクライナのゼレンスキー大統領と岸田首相が原爆慰霊碑に献花しました。ウクライナ戦争の早期終結を目指す思いを共有したところです。
戦争の惨禍を知る日本だからこそ、軍事力に頼るだけではなく対話と外交による解決を世界に訴える責任があります。抑止力だけに依存する安全保障政策は相手国の不安を刺激し、際限のない軍拡競争を招きます。軍備による「抑止」以上に大切なのは、戦争そのものを起こさせない知恵と努力、戦争のきっかけを作らない、信頼関係を築く「安心供与」です。
東アジアの安全保障は、相互不信を解消する長期的な信頼醸成措置によってこそ安定します。多国間の対話枠組み、気候変動や経済課題での協力、文化交流など、軍事以外の分野で関係を深化させることが戦争回避の最良の道です。
戦後、日本は憲法9条のもと専守防衛を堅持し、平和と繁栄を築いてきました。今こそ日本は平和国家として、その知恵と経験を活かし、戦争回避を呼びかける先頭に立つべきではないでしょうか。