本臨時国会で成立した「2025年度補正予算案」。表向きは物価高対策とされていますが、その中身は「財政規律の崩壊」を示す危険な兆候に満ちています。この予算に隠された2つの問題点と、立憲民主党が提示する「現実的な対案」をご報告します。
日本の直面する、円高、コストプッシュ型のインフレ、金利の上昇。これまでの経済政策の見直しが求められています。高市政権にその認識があるのか大きな問題です。

金利上昇局面での「借金頼み」
第一の問題は、歳出の6割以上を新たな「借金(国債)」で賄っている点です。
今回の新規国債発行額は約11兆7千億円。昨年の倍近い規模です。家計に例えれば、「生活費のためにカードローンを限度額いっぱいまで借りる」ようなものです。年度の総額は昨年と変わらないと言っていますが、40兆を超える異常な額に変わりありません。
今は「金利のある世界」に移行しつつあります。長期金利が上がり、日銀が金融正常化(利上げ)を進める中でこれほど巨額の借金を重ねれば、将来支払う利子は雪だるま式に増え、そのツケは子供たちの世代に「増税」として確実に跳ね返ります。
「税収が過去最高」と言いますが、それは物価高による見かけ上の増収です。本来なら借金返済に充てて身の丈を整えるべき局面で、さらに借金を上乗せする姿勢は、将来への責任放棄と言わざるを得ません。
17兆円の「埋蔵金」を生む基金の問題
第二の問題は基金です。使い切れていない「基金」が約17兆6千億円もある。政府は「見直す」と言いますが、実際は昨年より約1兆円も増えています。それなのに、今回さらに借金をして、新たに基金にお金を積もうとしています。
象徴的なのが、今回の補正予算に計上された「宇宙戦略基金」への約2千億円の積み増しです。宇宙開発自体を否定するものではありませんが補正予算には大きな問題があります。
「緊急性」がないー宇宙開発は10年単位の長期プロジェクトであり、「今日明日にお金がないと困る」という補正予算の要件(緊要性)を全く満たしません。
国会軽視の「隠し財布」化ー本来であれば、来年度の「通常予算」で時間をかけて審議すべきです。国会のチェックが難しい基金にお金を放り込んでしまっては、適切に使われているかの検証も甘くなります。
これは、「口座に1千7百万円以上の貯金があるのにそれを使わず、高い利子を払って借金をし、急ぎではない買い物をしている」のと同じです。
立憲民主党の「現実的な対案」
私たちは単に反対するだけでなく、以下の「組み替え」を公明党と共同で提案し、政府に修正を迫りました。
1 緊急性のない基金を削除し、借金を減らすー本来あるべき「通常予算」での議論に戻し、新規国債の発行を抑制します。
2 眠っている17兆円を活用するー新たな借金をする前に、手元の余剰金を国庫に戻させ、財源に充てます。
3 浮いた財源を「人」と「生活」へー能登半島の復興や、給食費無償化、医療支援など、今まさに困っている国民生活を支える分野へ振り向けます。
限られた税金を賢く使う(ワイズ・スペンディング)へ。山崎誠は、国会の最前線で論戦を続けてまいります。