2月25日、予算委員会第4分科会で文部科学省および厚生労働省に新型コロナウイルス対策について質しました。
全国で感染拡大が続く新型コロナウイルスですが、教育現場での感染事例が日に日に増えてきています。
2月21日には北海道の中富良野町に住む10歳未満と10代の小学生の兄弟が新型ウイルスに感染したとの報告がありました。石川県では男子中学生が、21日にPCR検査の結果、陽性と判明されました。
教員についても感染の事例があがっています。例えば、千葉県在住の市立中学校勤務の60歳代の女性教員が21日の検査で陽性が判明。この事例では2月11日に県内の医療機関を受診して風邪と診断され、19日になり発熱が高まり、県内の病院に入院、21日に検査結果が出る。12日は休んだものの、13、14日は試験監督、17日には採点の返却事務をしたということです。
こうした事例を踏まえて、教育現場の感染リスクにどのように備えるかが今、問われています。以下、質疑のポイントをまとめます。
1.感染拡大の現状認識について
議論の大前提として、新型コロナウイルスの感染状況をどう評価しているのかが問われます。感染の初期段階なのか、感染拡大期なのか、そのステージによって対応も変わってきます。この点、厚労省の答弁者からは明確な回答がありませんでした。今、大事なのは、感染のピークをなだらかにすること、感染者の爆発的な増加を食い止めることです。前倒しで、より厳格な対応策を打つことが重要ではないか。休校措置や春休みの前倒しスタートなど、現時点で、より積極的な対応を決め実施することに意義があると訴えました。
2.文科省の対応について
文科省からは休校や学級閉鎖などの臨時休業措置を取ることが望ましいとの見解が示されていますが、こうした措置の決定は法的には各学校長にゆだねられているところ、地域毎に対応が異なる傾向にあるのではないか。文科省としてより明確な、具体的な指針を統一的に出すべきではないか。専門家のアドバイスについても国が一元的に取りまとめる必要があると提案。萩生田大臣からは、今後の基本方針の提示などで工夫をしてゆく、国がしっかりと対応をとる旨の答弁がありました。
3.教職員の健康管理について
常に子どもたちと接する教職員の感染は極めて深刻な事態です。千葉県の事例のように教員が感染したまま教壇に立つことがあっては絶対にいけません。教職員については優先してPCR検査を実施して、感染していないことを確認の上、教壇に立って頂く必要があります。少なくとも何らかの症状が出た場合はすぐにPCR検査を受けることができるようにする、症状が出ていない先生にも広く検査を実施する体制を作るべきと訴えました。私の提案について実施の計画はないとの回答、症状が出た方のみを対象とする、一般の方と同じ取り扱いをするとのこと。PCR検査の実施能力に限りがあるので全ての教員への実施は難しいとのことです。この点、政府はPCR検査の実施拡大には極めて消極的であり大問題です。
4.医療的ケアが必要な子どもたちへの対応
新型コロナウイルスの感染については、呼吸器系の基礎疾患や糖尿病など慢性疾患を抱える人が重症化しやすいと言われています。学校には、医療的ケアが必要な子どもたちや難病など病気を抱えながら通っている子どもたちがたくさんいます。こうした子どもたちを新型コロナウイルスの脅威から守る手立てが必要です。政府からはこの問いに対して、手洗いの徹底など、健常な子どもと同じ対応策しか提示されず、十分に検討されていないことが分かりました。在宅授業に切り替えるなど、特段の配慮と対応を基本方針に盛り込むように強く要望、大臣からはこの点については前向きに対応する旨、答弁を頂きました。
5.学校におけるマスクや消毒用品などの整備状況について
街中から、マスク、アルコールなどの消毒用品があっという間に姿を消してしまっています。教育現場について、こうした感染症対策用品の備蓄は制度的に規定されておらず、各自治体、学校の判断事項とされています。厚労省、文科省もマスクや消毒用品の実態を把握していないとのこと、この点も国がリードして優先的に教育機関に配備するよう訴えました。
6.情報公開のあり方について
新型コロナウイルスの感染について、情報公開の基準が曖昧になっています。学校名がでるところもあれば、地域のみのところもある、それぞれの自治体や学校の判断で対応が異なります。個人情報の保護といった観点も重要ですが、感染症の拡大という緊急事態に直面している現在、一定の情報公開は絶対に必要であると考えます。どこにどういうリスクがあるかが分かることが正しいリスク回避行動に繋がります。この点も政府は、各自治体任せで明確な指針を出そうとしない。専門家の意見などを参考にして感染に関する情報管理指針を策定、周知すべきです。
今後も与野党超えて、新型コロナウイルス対策に取り組んで参ります。