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2021.10.19

「自然エネルギー立国」へのロードマップ:エネルギー転換戦略 [1]

 立憲民主党の環境エネルギー調査会事務局長としてエネルギー転換戦略を取りまとめ提案しました。その概要を紹介します。

立憲民主党の提案するエネルギーミックス

 世界を襲う気候危機は国境を越え人間社会全体のあり方を問うものとなっています。20世紀が生み出した化石燃料を大量に消費するエネルギー浪費社会は、地球という有限のシステムの中でこれ以上継続できない転換期を迎えています。

 立憲民主党は、日本社会の安定的な発展のために、省エネの徹底と再生可能エネルギーへのシフト、「自然エネルギー立国」を実現するエネルギー転換戦略を策定いたしました。速やかに原子力・化石燃料への依存を低減、省エネ・再生可能エネルギーへのシフトにより環境調和・分散ネットワーク型社会、脱炭素社会の実現を目指します。脱炭素社会への移行は日本社会の大きな構造変革をともなうものです。立憲民主党はこの機をチャンスととらえ、雇用の公正な移行を進めつつ、日本産業の変革を強力に支援し、日本経済の持続可能な発展を実現します。

※ CO2排出削減量については、政府が前提となるエネルギー消費見通しを下方修正しています。政府の消費量を前提とすると、立憲民主党のエネルギーミックスによって2030年60%以上の削減が可能となります。

立憲民主党の提案するエネルギーミックス

 2030年2050年
省エネ(最終エネルギー消費、2013年比)30%60%
電源構成再生可能エネルギー 50%化石燃料他 50% (注1)再生可能エネルギー 100%(注2)
CO2排出削減
(2013年比)
55%以上カーボンニュートラル(温室効果ガスゼロ)
投資額2030年までに
計50兆円 (注3)
  
新規雇用250万人 (注4) 

(注1) 化石燃料について、COの排出量の少ないLNG火力を中心に活用、石炭火力の利用についてはCOの排出量削減のため燃料アンモニアとの混焼を前提とする。原子力発電については、東京電力福島第一原発事故の検証や実効性のある避難計画の策定、地元合意のないままの再稼働は認めない。2050年ではLNG火力の一部をバックアップ電源として確保する。

(注2) 再生可能エネルギー100%には、グリーン水素(再生可能エネルギーにより製造させる水素)またグリーン水素から作られる燃料アンモニア、メタン(メタネーション)などの活用を含む。

(注3) 財政支出として2030年までに累計50兆円を投入する(民間を含めた総投資額は累計約200兆円)。2030年までに経済波及効果累計約480兆円、光熱費削減額累計約350兆円が見込まれる。

(注4) 雇用創出効果、経済波及効果は、本戦略で見込まれる投資額に基づき、産業連関分析により算出した。

立憲民主党のエネルギー転換戦略のイメージ図です。

次にこのエネルギーミックスを実現するための5つの重点施策、35の目標と政策をご紹介します。

(続く)