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2022.08.25

原発新増設へ舵を切る、岸田総理に国会への審議を求めます

安全軽視の原発再稼働、原発新増設へ、大きな方針転換

 岸田総理大臣は、8月24日、官邸で開いたGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で、原子力発電所について、「再稼働済み10基の稼働確保に加え、設置許可済みの7基の原発再稼働に向け、国が前面に立ってあらゆる対応をとっていく」と述べました。また、次世代型原子力発電の開発や原子力発電所の運転期間延長などについて「年末に具体的な結論を得られるよう検討を加速してほしい」と指示しました。

電力逼迫、エネルギー価格の高騰は自民党の失策が原因

 そもそも、この10年間の自公政権の失策により、省エネ・再生可能エネルギーの導入と電力自由化の進展が遅れたことが、今日のような日本の苦しいエネルギー事情を作り出した根本的な原因です。

 今回の総理の指示は、東京電力福島第一原発事故を受けて、原子力発電への依存の低減、安全を最優先するとしていた原子力発電に対する政府の姿勢を大きく転換する方針変更であり、エネルギー政策の根本に関わる決定がなされたと言えます。

 政府には早急に臨時国会を開会し、本件につき十分な説明と質疑の機会を持つよう強く求めます。

安全の問題を抱える原発再稼働

 原子力発電再稼働の推進について、対象となる原発はそれぞれ多くの安全上の課題を抱えており、安易な再稼働は到底許容できません。

 セキリティ上の度重なる問題発生により改善が求められている柏崎刈羽原発、30㎞圏内の避難地域に県庁所在地である水戸市を含め約100万人の人口を抱え実効性のある避難計画を作ることができず、地域合意を得ることが極めて難しい東海第2原発など、再稼働は困難です。

原発新増設へ、方針転換

 次世代型原発の開発については、自民党がこれまで繰り返し「新増設や建て替えは想定しない」と訴えてきたことと完全に反することになり、公約違反となります。

 次世代型原発については、基本的な原理は既存の軽水炉と変わるものではなく、絶対安全はありません。使用済み核燃料の処分に関する難題は次世代型原発といっても変わるものではありません。

 また、次世代型原発の実用化には10年、20年という時間が必要であり、現時点での電力不足への対応策とはなりません。

武力攻撃の目標となる原発

 ウクライナ危機で欧州最大のザポリージャ原発が武力攻撃の目標となるという安全保障上の大きな問題が浮き彫りとなりました。原子力発電所が武力攻撃に対しては無防備であることは先の国会でも明らかになりました。日本の安全を考えるのならば武力攻撃のターゲットとなる原子力発電所の一刻も早い廃炉がどうしても必要なのです。

2050年再生可能エネルギー100%の日本へ

 立憲民主党は、地域の資源を使って再生可能エネルギーを地域でつくり、地域でお金を回し、地域が豊かになる社会を目指し、2050年再生可能エネルギー100%の社会を目標に掲げています。原発依存の低減、脱炭素社会の実現を目指して今後とも省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの普及大幅拡大のための施策の充実に取り組んでいきます。

写真:さがみこファームにて、遊休農地を活用して、太陽の光でエネルギーと農作物を同時に育てる「ソーラーシェアリング」を相模原で初めて実現、ブルーベリーを筆頭に様々なベリー類や果樹を育てはじめています。休みの日には、たくさんの人が訪れ、季節毎に実るおいしいベリー類を摘み取って思う存分食べ、様々な体験プログラムを通じて自然を満喫しています。