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2020.07.28

再生可能エネルギー100%の実現、いまや世界の共通認識です

本日の日経新聞で私のインタービュー記事が掲載されました。テーマは私の専門分野でもあります、再生可能エネルギーについて、コロナ後の社会をどのように再興してゆくか、その際のエネルギー政策の重要性を訴えさせていただきました。

世界ではコロナ禍からの復興をグリーン政策で実現しようというグリーンリカバリーという政策パッケージが提起されています。脱炭素社会実現に向けた投資により経済の復興を実現、その柱になるのが再生可能エネルギーの利用拡大、再エネ100%を目指す動きです。

日本も当然、この世界の潮流に乗って行かなければなりませんが、自民党政権は未だに原発、化石燃料依存から抜け出そうとしない。再エネを拡大するといっても目標設定が間違っているために投資も伸びず、結果として世界から大きな後れをとっている状況です。

立憲民主党他野党提出の原発ゼロ基本法では、明確に2030年に再エネの比率を40%以上、原発ゼロの方針を明記。さらに現在はCO2を大量に発生する石炭火力発電もゼロという目標を掲げて政策を取りまとめています。

再エネ100%へのシフトは、コロナ禍からの経済再生の起爆剤になるものです。海外から年間約20兆円の資源を調達してきた日本のエネルギー産業ですが、再エネに代われば、そうした海外への支出が国内に回るようになります。国内、特に再エネ発電に取り組む地方にお金が落ちる構造を構築することができるようになる、内発的な発展のエンジンになるのが再エネなのです。

未だに再生可能エネルギーは値段が高くて、天気頼りで不安定、電力の安定供給のためには原発や化石燃料による発電が不可欠という説明が流布されていますが、これは誤りです。

第一に、今、世界では太陽光発電、風力発電がもっとも安い電源として定着しています。太陽光発電、風力発電などは減価償却が終われば限界費用ゼロのやすい電力を生み出す施設となるのです。再エネが高いのは日本の特殊事情、間違った政策によるものです。

第二に、電力の安定供給について、当面、調整力の高いLNG火力を動かすことを想定すると、再エネを優先活用しつつ、地域間の連携を図ることで電力の安定供給が可能であることが証明できています。(この点は極めて重要、記事からは漏れてしまった論点です)いまや、技術的にも経済的にも再生可能エネルギー100%は実現可能な目標となっています。

日本版のグリーンニューディール、グリーンリカバリーの実現がを目指します。地域分散ネットワーク型の社会を実現する。環境重視で日本の経済再生、社会再生に取り組む、いまがその好機ととらえています。

IHIの横浜事業所にて、海流発電の試作機の前で