News&Report

ぼうさいこくたい
2023.09.18

「ぼうさいこくたい2023」 横浜国立大学キャンパスで開催

「ぼうさいこくたい」とは

 「ぼうさいこくたい」(防災推進国民大会)が9月17、18日の両日、横浜国立大学キャンパスにて開催されました。「ぼうさいこくたい」は、防災活動を実践する多様な団体・機関が一同に会し、取組・知見を発信・共有する日本最大級の防災イベントです。関東大震災から100年の節目の年となる今年は、関東大震災の震源地である神奈川県で開催されました。

多様な関係者が取組を発表

 会場では、各種講演、パネルディスカッション、体験コーナー、展示コーナー、ワークショップなど、市民グループから企業、団体、大学等研究機関など防災に係わる多くの関係者が集まり意見交換、情報共有が行われました。

 企業では中小・ベンチャー企業の出展も多く、例えば、プールや川の水などを効率的に浄化するシステム、カプセルホテルのような宿泊設備の展示などがありました。また、トヨタからは避難時に最新のプリウスで車中泊をするための方法を解説する展示など、実際の災害に則した多くの情報提供がありました。

企業の取り組み

 内閣府からは「災害への備え」コラボレーション事業について、企業の実践事例と共に報告がありました。本事業には現在111社が賛同しているとのこと、それぞれの企業活動の特徴を活かしつつ災害時にどんな貢献ができるか検討がなされ、実践につながっています。

 例えば、損害保険会社では、地震保険のような商品を届けるだけではなく、災害への備えに関する啓もう活動などを行っていること、量販店では、防災コーナーを設けて、防災グッズの販売促進を行ったり、専門家を招いての防災講習会の開催などを進めている事例紹介がありました。

デジタル社会における防災

 横浜国立大学のコーナーでは「デジタル社会における防災」をテーマに災害時の「情報」に係わる課題についてトークイベントが開催されました。災害時に流れるフェイク情報にどう対処するか、情報リテラシーをどのように高めるか、サイバーセキュリティーについてなど、現代社会の防災に不可欠な「情報」に関する専門家による議論は貴重なものでした。

国の政治・行政に防災の専門知識が溜まらない

 「ぼうさいこくたい」は国民の防災意識の向上を目的として今年で第8回目の開催となりますが、どれだけの国民が開催を知っていたかは疑問です。

 例えば、国会議員(私が所属する災害対策特別委員会の委員にすら)に対して開催の案内がありませんでした。多くの国会議員がこうした大切な防災のイベントが行われていることを知らないのではないか。内閣府のこうした対応は問題です。

 日本の防災・危機管理において大きな課題は国の政治・行政に災害対策の知見が溜まっていないこと、災害対応に関する専門知識の欠如にあると考えています。折角の全国規模で災害対応のノウハウが集まる「ぼうさいこくたい」を防災関係者のみのイベントに終わらせることなく、広く国民が参加し防災力を高める機会となるようにしてゆかなければなりません。今後の課題として国会で訴えて参ります。