福島の危機に直面して、政治家の責任、日本人の責任について考える。

2013年8月20日(火)

3.11福島原発事故の責任を問う質問を受けて

ご指摘の通りあの3.11の時点で、私は与党の国会議員でしたので、現状の危機的状況に責任があることは痛感しております。言い逃れはするつもりはありません。これまで3.11以前から原発の問題を指摘し、3.11以降も事故収束PJのメンバーとして廃炉までのロードマップのチェックや、汚染水の問題、除染の問題、核廃棄物処理の問題等に取り組むほか、脱原発を具体的に可能とするための再生可能エネルギーの普及等の各種活動を続けてきました。しかしながら民主党執行部を初めとする議員や官僚の多くがこの問題を認識していない(認識しようとしない)、正面から対処しようとしないことがいよいよ明らかとなり、民主党では責任を果たすことが出来ないとの判断で任期の最終日前日に民主党を離党して、みどりの風にうつりその後の脱原発派の合流で未来の党から出馬することとなりました。原発問題に正面から取り組むことを宣言し選挙を戦うことで引き続き責任を果たそうと考えていました。結果は惨敗でありましたのでいまは議員として責任を果たすことが出来ない状況です。先の参議院議員選挙も裏方ではありましたが、同じスタンスでみどりの風で戦ってきました。

個人的な言い訳はいくらしても始まりません。ここで問題なのは、原発の問題は、国会議員個人や一企業の責任を問うても解決できないと言うことです。また、本当の責任を問えない日本が問題なのではないか。安全神話をつくり、あえて無責任な体制を創ってきた、いまでも原発の利権を守り維持することに血眼になっている勢力が、日本を牛耳っているという現実をどうやって打開するか、社会全体の問題として本当の改革が必要だと思うのです。

選挙の結果、脱原発を訴え福島の危機的状況と正面から戦ってきた議員(精一杯責任を果たしてきた議員)の多くが落選し国会を去っています。一方で、この事故の原因をもともとつくってきた政治家、事故の重大さを認識していない政治家の多くが当選し政権を執っているというのが今の日本です。こうした日本社会の問題を考えてみてください。もちろん政治課題は原発だけではありません。選挙が下手くそだったのかもしれません。きれい事を言うつもりもありません。ですがこの原発問題が選挙の争点にすらならないのはやはり異常なことではないでしょうか。日本の社会システム、もっといえば人間の倫理観や価値観が根本的に問われているのだということを深く認識すべきです。

原発に限らず、核兵器、戦争、遺伝子組換えや環境破壊など、多くのいのちやかけがえのない地球環境を破壊するリスクを人類は手にしてしまっています。そうしたリスクの前で一人ひとりはほんとうに無力です。私たちに出来ることは、誰も責任がとれないリスクは冒さないと決めてそれを守ることではないか。そうした選択をするのが政治家の責任であると思っています。

化学工学の専門家で有り、エンジニアリングやプロジェクトマネジメントに精通しているあなたにお願いがあります。ぜひとも原発事故収束のための具体的な方策を提示願えないでしょうか。(もうすでに様々取り組まれていたら申し訳ない、勉強不足、情報不足を恥じます)私よりもあなたの方が具体的にこの事故に立ち向かえるはずです。今は、誰が悪いとか、どの国の陰謀だとか、損得を言い合っている場合ではありません。どうかお力をお貸しください。

脱原発で30年。山崎誠はぶれません。
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山崎誠

山崎 誠

(やまざき まこと)

衆議院議員 立憲民主党神奈川県第5区(戸塚区・瀬谷区・泉区)総支部長。

立憲民主党政務調査会副会長、エネルギー調査会事務局長。経済産業委員会、東日本大震災復興特別委員会委員。

環境・エネルギー・地方創生・社会保障政策・教育政策を中心に活動を展開。

元横浜市会議員、日揮株式会社、株式会社熊谷組勤務。

山崎誠政策研究所代表、森びとプロジェクト委員会顧問、よりそいサポートネットワーク事務局長等

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