山崎誠政策研究所通信017号(2020/01/22)
枝野幸男代表が語る立憲民主党の「政権ビジョン」
立憲民主党の政権ビジョンの柱は「支え合う安心」「豊かさの分かち合い」「責任ある充実した政府」の3つです。
以下、代表質問より抜粋します。
支え合う安心
第一に、「支え合う安心」を作ります。本来、超高齢社会とは、人類が夢見てきた長寿社会にほかなりません。そのこと自体は望ましいことのはずです。ところが、老後の不安が大きくなる一方だから、高齢化社会を後ろ向きに受け止めざるを得ない方が多くなっています。
人口減少は続いていますが、潜在的なものも含めれば、子どもを産み育てたいと望む方々は多く、その希望をかなえることが可能な社会を作れば、人口減少に一定程度歯止めをかけることができます。
老後も、子育てや教育も、かつては個人や家庭に委ねられていました。しかし、今の日本では、いずれも自分の力だけではどうにもなりません。自己責任に帰すのでは不安が広がるばかり。今こそ、自己責任論から脱却し、社会全体で「支え合う安心」の仕組みを構築しましょう。私は、これこそが、政治の最大の役割であると明確に位置づけ、その役割を担う新しい政権を作ります。
豊かさの分かち合い
第二に、「豊かさの分かち合い」によって経済を活性化します。
バブル崩壊後のGDP国内総生産の成長率は、2018年までの平均で1%未満。昭和の終わり、バブル前の10年と比較すると実質で4分の1、名目では10分の1にもとどきません。施政方針でいくら虚勢を張っても、この基本構造は、アベノミクスの7年間も何ら変わっていません。
その原因は、ひとえに国内でお金が回らないことです。海外との関係で、日本が貧しくなったわけではありません。(中略)国全体が貧しくなったのではなく、一人ひとりに行き渡らないため、多くの国民が豊かさを実感できず、消費を冷え込ませ経済を低迷させているのです。
国際競争力を維持拡大させるための努力は、今後さらに強化する必要があります。しかし、それと同等以上に、偏って存在している豊かさを分かち合うことで、多くの国民がその実感を持てるようにします。それが、可処分所得を実質的に拡大させ、国内消費を伸ばし、GDPの持続的成長につながる最大の経済対策となります。
また、若年人口が減り続ける中で国際競争力を維持・強化していくためにも、すべての若者が個々の持ち味を発揮できるような「学ぶ機会」を保障します。貧困などによって「学ぶ機会」が奪われている若者を、豊かさの分かち合いによってなくしていきます。
昭和の高度成長期は、「成長するから分配できる」時代でした。しかし、バブル崩壊後の平成期は、大企業が成長して大きな利益を上げても、賃金や下請けなどに分配される部分や国内投資に回る部分が限定され、内部留保が積み重なるばかり。適正な分配がなされないために可処分所得が伸びず、経済の過半を占める内需が成長しないことで、全体としての経済成長の足を引っ張っています。(中略)。
「分配なくして成長なし。」私は、社会状況の変化を踏まえて経済政策の根本を転換し、「豊かさの分かち合い」を進めることで、一人ひとりが豊かさを実感できる社会と、内需が着実に成長する経済を実現します。
責任ある充実した政府
第三に、「責任ある充実した政府」を取り戻します。
「支え合う安心」も、適正公平に「豊かさを分かち合う」ことも、民間だけでは、市場原理では実現できません。
昭和の終わりころから、多くの先進国で、「競争を加速することが正義、政府は小さいほど良い」という方向に大きく傾きました。日本では、「民間でできることは民間で」「小さな政府」などという言葉が、絶対的な正義として語られました。しかし現状は、「民間でできないことまで民間へ」。背負うべき役割まで放棄した「小さすぎて無責任な政府」になっています。
民営化の先で生じた、かんぽ生命の問題。大学入学共通テストの民間丸投げ。公営に限定されてきたギャンブルを民間開放しようとしたカジノ。さらには、非正規化と定員抑制を進めすぎた挙句、長時間労働が常態化して正規でも希望者が激減し、非正規が集まらなくなっている教職員の世界。常勤職員が不足して大規模災害対応がパンクしている地方自治体。介護サービスの不足や待機児童の問題も、民間だけでは対応できない広い意味での政府の仕事です。
今こそ、「小さな政府」幻想から脱却し、必要なことには「責任ある充実した政府」を、そして「民間でできないことはしっかりと官が責任を持つ」「まっとうな政治」を取り戻します。
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