山崎誠政策研究所通信008号(20190809)
世界の核兵器廃絶へ、日本が果たすべき役割
被爆74周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参加しました。
大変暑い中でしたが、関係者のご努力で素晴らしい心に残る式典となりました。平均年齢82歳になる被爆者の皆さまの訴えを直接お聞きする貴重な機会をいただきました。
唯一の戦争被爆国である日本は核兵器廃絶の先頭を走らなければなりません。世界が核兵器へと再び傾倒する中で、日本は核兵器の理不尽さ、二度と核兵器の使用を許さない、世界の平和を訴える声を上げ続けなければなりません。それが、広島、長崎で不幸にして被爆により命を絶たれた皆さまに対する、いまを生きる日本人の責務です。
米国をはじめ世界にはまだ核兵器の真の姿、恐ろしさを理解していない方が残念ながら少なからずいます。日本は全世界のすべての人に核廃絶の必要性を粘り強く訴えていかなければなりません。それができるのは唯一の戦争被爆国、日本です。核兵器禁止条約の署名、批准はその一歩、当然の一歩です。
長崎市 田上市長の「長崎平和宣言」から
『原爆は「人の手」によってつくられ「人の上」に落とされました。だからこそ「人の意志」によって無くすことができます。そして、その意志が生まれる場所は、間違いなく、私たちひとり一人の心の中です…
今、核兵器を巡る世界情勢はとても危険な状況です。核兵器は役に立つと平然と公言する風潮が再びはびこりはじめ、アメリカは小型でより使いやすい核兵器の開発を打ち出しました。ロシアは、新型核兵器の開発と配備を表明しました。そのうえ、冷戦時代の軍縮競争を終わらせた中距離核戦力(INF)全廃条約は否定され、戦略核兵器を削減する条約(新START)の継続も危機に瀕しています。世界から核兵器を無くそうと積み重ねてきた人類の努力の成果が次々と壊され、核兵器が使われる危険性が高まっています…
私たちひとり一人の力は、微力ではあっても、決して無力ではないのです…
日本政府に訴えます。日本は今、核兵器禁止条約に背を向けています。唯一の戦争被爆国の責任として、一刻も早く核兵器禁止条約に署名、批准してください。そのためにも朝鮮半島非核化の動きを捉え、「核の傘」ではなく「非核の傘」となる北東アジア非核兵器地帯の検討を始めてください。そして何よりも「戦争をしない」という決意を込めた日本国憲法の平和の理念の堅持と、それを世界に広げるリーダーシップを発揮することを求めます…
長崎は、核の被害を体験したまちとして、原発事故から8年が経過した今も放射能汚染の影響で苦しんでいる福島の皆さんを変わらず応援していきます。
原子爆弾で亡くなられた方々に心から哀悼の意を捧げ、長崎は広島とともに、そして平和を築く力になりたいと思うすべての人たちと力を合わせて、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に力を尽くし続けることをここに宣言します。』
被爆者代表 山脇佳朗さんの「平和への誓い」から
『…私はこの場で安倍総理にお願いしたい。被爆者が生きている内に世界で唯一の被爆国として、あらゆる核保有国に「核兵器を無くそう」と働きかけてください。この問題だけはアメリカに追従する事なく核兵器に関するすべての分野で「核兵器廃絶」の毅然とした態度を示してください…私は第2次世界大戦によって310万人の命を犠牲にした日本が、戦後に確立した「平和憲法」を守り続け、戦争や核兵器のない世界を実現する指導的な役割を果たせる国になって欲しいと念願し「平和への誓い」と致します。』
広島、長崎からの訴えに真摯に耳を傾けます。
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