放射線による健康被害について、放射線については被曝してもかまわない安全な量というものは存在していない
2011年5月31日(火)
いかにして被曝のリスクから子どもたちを守るか最優先事項です。
科学技術・イノベーション推進特別委員会で原発事故に関して議論しています。5月20日の委員会では放射線の健康影響がテーマとして取り上げられました。4名の専門家からの意見聴取、質疑が行われましたが、そこでの結論はきわめて明確であったと思います。
主な指摘は以下の通り、
- 放射線がいかにして健康被害をもたらすか(放射線は我々の体の設計図であるDNAを傷つける、線量が少なくても傷がつくのは同じ、修復機能があるために少々の傷であれば修復できているに過ぎない)細胞分裂が活発な胎児、成長期のこどもが影響を受けやすい。
- 放射線の影響は以下の2つに分類される。①急性障害(確定的影響):嘔吐、紫班、脱毛などの症状、被曝後短時間で現れる症状、②晩発障害(確率的影響):発がんなど。しきい値は存在していない。「ただちに健康に被害はない」というのは①についてのみ言及しているに過ぎない。②の後に現れる障害についてしっかりと対応しなければならない。)
- 特に体内に取り込まれることで発生する「内部被曝」については特に注意を要する。(近距離からの放射になるため、体外被曝では人体に届かないタイプの線種(ベータ線など)でも被爆を引き起こす、被爆の影響が少量の放射から大きなものとなる)検出方法を確立して測定を進めるべき。
- 原発から放出された放射性物質は時間の経過とともに動いている。空気中から地表へ、地表から地中や側溝等へ、地下水へ、さらに植物や生き物の体内へと移ってゆくものである。放射能の測定もこれに合わせてやってゆかなければならない。空中を測るだけの測定結果は当てにならない。
とにかく、今すべきなのは福島の子どもたちを守ること。20ミリシーベルト/年という校庭の使用基準は1ミリシーベルト/年を目指すと改まりましたが引き続き、詳細な測定、調査を徹底して行い、子どもたちの生活環境を常時監視して、放射能被曝しないようにしなければなりません。汚染が進んだ地域(福島の中通りなど)の子どもたちについては学童疎開を実施するなど、思い切った施策を打つ必要があります。
スライドは藤田祐幸氏(長崎県立大シーボルト校非常勤講師、元慶応大学物理学助教授)の5月29日の講演から。
藤田氏のメッセージ 「人は電気がなくとも生きられる、人が生きるために必要なのは、水と空気と大地である。のぞむらくは、きれいな水と空気と大地である。」
私もまったく同意見です。人間の命の原点に立ち戻る必要があります。
添付資料は5月22日の特別委員会配付資料、放射線の健康影響について各参考人の見解がまとめられています。
→ 5月22日科学技術イノベーション特別委員会配付資料(PDFファイル)
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