「みどりの風」党綱領、どんな日本を目指すのか(4) ものを言える日本の外交
みどりの風の綱領、最後のパートです。
ものを言える日本の外交
国政の最大の責務は、国民の幸せな暮らしの基盤たる平和を守ることである。
しかし、国民の平和をかき乱すものは、国家間の国益のぶつかり合いだけではない。地震、津波などの自然災害や疫病、あるいはテロ活動等多くの脅威が存在し得る。私たちは、これらの脅威から国民の生命と財産、および人間としての尊厳を守るために、「人間の安全保障」の観点に立って安全保障政策を構築する。そのためには、様々な分野、レベルにおける豊かで互恵的な国際交流が不可欠であると同時に、強固でしたたかな外交、また、いざという時の備えが必要である。すなわち、憲法の平和主義を基本としつつ、自立的な安全保障体制を確立する必要がある。
21世紀の国益(国民益)の追求のためには、歴史・文明の流れと複雑な国際情勢の大局に対する認識、めまぐるしく展開する個々の問題およびその影響に対する的確な分析に基づいた政治のリーダーシップ、ならびに、これを支える官民双方の重層的なレベルにおける不休の努力が求められる。この基盤の下に国民の力と知恵を結集し、国家・国民の主権を代表して「ものを言える日本の外交」が構築されるべきである。ともすれば、願望に依拠した外交に陥りがちな外交方針が長期的には国益を損なってきた史実に鑑み、リアルで冷徹な客観情勢分析に基づいた外交を構築することを旨とする。
自衛隊が担う国防や災害復旧等の役割は、広く国民が認識するところである。軍隊ではないことが矛盾として指摘されているが、専守防衛に徹し、災害時に頼りにされる自衛隊は、日本独自の概念による日本らしい組織である。人間の安全保障という観点では、より進んだ組織とみなすことも可能である。疫病やテロ、原子力災害など、最後の砦としての自衛隊が、国民の期待に応えることができるように、同時に隊員たちの安全が最大限確保できるように、広い見地から機能を高めるべきである。自衛隊の卓越した自然災害対処能力を生かし、この能力をもって、国際社会の安全に資することを平和国家日本としての貢献の主軸とする。
国会・国政改革
以上の「みどりの風」の基本原理を国政において実現するためには、現在の国政のあり方を根本的に改革しなければならない。
憲法は、国会を国権の最高機関と定めているが、現実には内閣による行政権が突出して大きく、国会は政府が決めた政策や予算の形式的追認機関となっている。このような状況の下で、国会の政府監視機能は不十分であり、国民の代表による民主主義的な合意形成は、憲法が意図したようには成熟してこなかった。
日本の伝統は、合意形成や譲り合い、協調性を重んじてきたのであり、その知恵と伝統は、国政にも生かすべきである。私たちは、名実共に国民主権の日本を目指し、日本の国民性と資質にふさわしい民主主義と合意形成のあり方を追求する。
同時に、私たちは、日本国民の主権者としてのさらなる覚醒を促し、国民の民主主義を啓発することが、憲法改正に関して不可欠の条件であると考える。時代や社会の変化に対応した憲法改正は可能であるべきだが、まずは、国民投票を導入することで日本の民主主義を一歩前進させることが現実的である。自主憲法は、国民から自発的に求められるべきものであり、国民の国民による国民のための憲法とならねばならない。
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