東日本大震災からの復興計画、大堤防を前提にした計画が承認されました
復興計画について緊急で専門家の皆さん、大槌町の方にも参加いただき議員会館にて会議を開きました。
これまで岩手県大槌町の復興計画の策定について追いかけてきましたが、住民の皆さんの協議会の議論を受けて、町長から最終の復興計画の概要が示され町議会において承認されたとのこと。結局、当初、国交省が派遣したコンサルが提案してきた14.5mの堤防ありきのプランが採用となりました。
住民の皆さんによる議論の経過をお聞きしましたが、とても公平な開かれた議論がなされたとは言えない。堤防に依存する街作りに疑問を呈する声は、結局無視されている、利権にからむ動きも見え隠れするような状態。多くの若者世代は協議会に参加していない(復旧に追われて参加できない状態)。これまでの日本の公共事業の失敗事例をそのまま引き継ぐようなかたちで、計画が進んでいることに大変な危機感を持ちます。国交省に確認すると、住民の皆さんが決めたことだから、との答えが誰からも帰ってきます。その住民の議論は、結局、大型土木工事を進めたい勢力によってコントロールされている、この事実を国交省はどう考えるのか。コストもかかり、時間もかかる大堤防建設計画に反対してゆきます。
今後、以下のような論点について追求、最終的には国交大臣、復興大臣にも質してゆきたいと思います。堤防ありきでは地域の健全な復興はあり得ない。しっかりとしたビジョンに基づいた民主的な議論を求めてゆきます。
1.問題点【論点】
1.1 復興計画の内容に関する問題点
① 大堤防を前提とした街づくりの問題点
- 津波対策は万全か
- 海の見えない街の問題
- 堤防の更新の問題
② 復興プロジェクトとしての問題点
- コスト
- 工期
- 工事期間中の生活の問題
- 経済の復興をどう実現するか
1.2 復興計画立案のプロセスの問題点
① 復興計画の議論の問題点
- 複数案の提示が十分にできていない
- 偏った専門家の関与
- 堤防ありきのプランを前提に議論が進められる
② 行政の課題
- 堤防を計画する国交省の影響
- 県の関与の仕方が見えない
- 市町村レベルでの判断の難しさ
- 市町村に責任を負わせる体制
2.あるべき姿(対案:堤防に依存しない避難を前提とした街作り)
- 住民の生活の質の向上を目標に復興計画を立案する必要がある。
- 津波に対しては堤防などのインフラだけでは防ぎきれないことを前提に、暮らし方、日頃の備えの見直しなどにより安全を確保する方策を重視すべき。
- 時間とコストの問題、復興期間の住民の生活の問題も視野に入れてプロジェクトを考えることが必要である。
- 20年後、50年後の街のビジョンを描く復興計画が必要である。
→ 堤防に依存しない避難を前提とした復興プランを対案として提示する
3.今後のアクション
① 現行の復興計画の問題点の整理、提言書の作成
② 国交省に対するヒアリングを実施
③ 国交大臣、復興大臣、各県知事宛の提言書提出
④ 各市町村への提言書の提出、説明会の開催
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