形だけのパブリックコメント、寄せられた市民の意見は無視されている。リニア中央新幹線のプロジェクトは立ち止まることを知らない
国土交通省から中央新幹線の検討状況についてレクチャーを受ける。交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会の中央新幹線小委員会の最終委員会について説明を聴取。
そこで明らかになったのは、4月22日から5月5日に行われた第3回パブリックコメントの結果が最終答申に全く反映されていないという事実。パブリックコメントでは888件の意見が寄せられており、反対意見も648件と過去最高の数に上っているのに、この結果が小委員会の委員に伝えられたのは、最終委員会開催日の前日5月11日の夕方、翌日12日には委員会が開催され、パブリックコメントの結果報告と最終答申案の決定がなされている。
パブリックコメントに寄せられた反対意見は648件と数は多いが、多くが組織的な投稿であり、数はあまり重視していないとのこと。報告書では648件の反対意見が、前回、前々回から寄せられているとされるもの7つ、今回新たに加わったものが3つ紹介されているのみ。648件の意見がたった10に圧縮されているのはあまりにも乱暴。パブリックコメントの原本に当たり確認しなければならない。
→ 中央新幹線パブリックコメント報告書_20110512.(PDFファイル)
結局、「推進ありき」の進め方であることが明らかである。東日本大震災を受けて日本のあるべき姿を再考すべきタイミングに、リニア中央新幹線計画の必要性についても一度立ち止まって考えてみるべきである。
これ以上自然を破壊して我々日本人は何を求めるのか。東京―大阪間を67分で結ぶスピードが本当に我々を幸せにしてくれるのか。スピードから得られるものは何か。災害時に東海道新幹線の二重化が必要とのこと。そのために中央新幹線のような全く新しい交通システムを山を切り開き自然を壊し一から建設しなければならないのか。答えは出ていない。もっと議論を尽くすべきである。
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